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JASS5 改定後の高強度軽量コンクリート第1号の建築物
JASS5改定後の高強度軽量コンクリート第1号
台東区蔵前において、現行JASS
5(建築工事標準仕様書・同解説 鉄筋コンクリート工事:1997年1月改訂)の設計基準強度の範囲を適用した国内初の建築物が竣工した。
旧JASS5では軽量コンクリートの設計基準強度の上限を27N/mm2以下としていたが、昨今のコンクリート技術の発展や、実験の結果などにより1997年改正時に設計基準強度の最大値が1種で36N/mm2、2種で27N/mm2と定められた。
建物は鉄骨鉄筋コンクリート造の集合住宅であり、地上14階、地下1階、延床面 積は5,720m2である。軽量コンクリートは5階から上の構造体に打設されたが、そのうち5、6階で設計基準強度30N/mm2の軽量コンクリートが採用された。
今回、工事監理者は「都庁審査の段階においては、新(現行)JASS5の取り扱いについては検討中であった。そのため、都庁担当者とは計画調合から打設計画について詳細に検討し、実施した。今後、性能規定による構造設計体系に移行すると、ますます品質管理の重要性が増し、それと同時に高強度化へ推移するのではないか。」と述べた。
一方、施工担当者は「圧送前後のスランプダウンの問題、表面仕上げの問題がクリアーできれば、今後、高強度軽量コンクリートとしての利用価値はあるだろう。」と述べた。
今回、設計基準強度30N/mm2とした部分は温度補正のため呼び強度が36N/mm2であった。
使用コンクリート
使用場所 |
種類 |
設計基準強度(N/mm2) |
スランプ(cm) |
土間コンクリート |
普通 |
FC=21 |
18 |
基礎・地中梁 |
普通 |
FC=33 |
18 |
地下1階〜4階 |
普通 |
FC=33 |
18〜21 |
5階〜6階 |
軽量 |
LC=30 γ=1.90 |
21 |
7階〜8階 |
軽量 |
LC=27 γ=1.85 |
18 |
9階〜PH階 |
軽量 |
LC=24 γ=1.85 |
18 |
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FC=30N/mm2(呼び強度36N/mm2、スランプ21cm)の調合
W/C
(%) |
s/a
(%) |
単位量(kg/m3) |
W |
C |
S |
G |
Add(*) |
39.3 |
44.5 |
176 |
448 |
739 |
453 |
4.48 |
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(*)高性能AE減水剤 |
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