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人工軽量骨材について

5 日本最古の道路用軽量コンクリート床の移設(花輪跨道橋)

日本最古の道路用軽量コンクリート床板移設される
「花輪跨道橋(はなわこどうきょう)について」
-- わが国初の80キロ鋼橋 --

写真

 本橋は、わが国ではじめての高張力鋼である80キロ鋼(引張強さ80kgf/mm2)を使用した橋梁として昭和39年に建設され、平成2年までの26年間、千葉県の京葉道路・花輪インターチェンジ(日本道路公団)に架設されていました。
 花輪跨道橋の建設当時は、本州四国連絡橋の建設に向けさまざまな研究が行われていた時期であり、それらの成果 をもとに本州四国連絡橋の実橋への応用として本橋が設計・施工されました。
ここで使用されている80キロ鋼は、その後、瀬戸大橋や明石海峡大橋に用いられています。
 花輪跨道橋は、平成2年の花輪インターチェンジの改築によりその役割を終えることとなったことから、歴史的にも貴重な橋梁である本橋の保存と再利用を図るため、ここに再架設したものです。
 平成10年 春 本州四国連絡橋公団

 わが国における構造用人工軽量骨材の商品化は昭和39年であることからも、人工軽量 骨材コンクリートを用いた橋梁では、最も初期に建設されたものと言えましょう。
 神戸淡路鳴門自動車道・室津パーキング上り線側の一般道に再架設され供用されています。


建設時(昭和39年)の諸元
形式 下路単純桁
橋長 29.5m
有効幅員 6.5m
設計荷重 TL-20(一等橋)
使用鋼材 HT80、HT60、SM50、SS41
床版 軽量コンクリートプレキャスト?版
舗装 薄層舗装(1cm)
発注者 日本道路公団
製作・架設 株式会社 東京鐵骨橋梁製作所

●花輪跨道橋の工事概要
施主 :日本道路公団
施工 :(株)東京鐵骨橋梁
施工場所 :千葉県船橋市内
施工年月 :昭和39年7月〜8月
施工箇所 :プレキャスト床版及び端部場所打床版
施工量 :人工軽量骨材(メサライト)コンクリート‥40m3

●軽量化の理由
 本橋は、現場での行程短縮を図るため、プレキャスト工法が採用されましたが、これに、運搬、据付けが簡単な軽量コンクリートが用いられました。また、この工事は、本州・四国連絡長大橋の軽量床版としての基礎試験も加味されたもので、建設省土木研究所で、各種測定がなされました。

●設計及び施工
設計数値: 圧縮強度‥‥400kg/cm2   単位重量(コンクリートのみ)‥‥1.88t/m3
  プレキャスト版の重量‥‥6.2t/枚
(普通コンクリートの場合は7.5t/枚となります)
配合: 粗骨材の最大寸法‥‥15m   セメント‥‥540kg/m3
  スランプ‥‥3〜5cm   水‥‥178kg/m3
  水セメント比‥‥33%   メサライト粗骨材‥‥596kg/m2
  細骨材率‥‥38%   川砂‥‥516kg/m3
  空気量‥‥4%   分散剤POZ No.8‥‥1.35kg/m3
平均4週圧縮強度(実績)‥‥497kg/cm2

●参考文献: 村田、菅原、宮崎共著 高強度軽量骨材コンクリート
発行人 人工軽量骨材(ALA)協会
E-mail:ala@keiryokotsuzai.com

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